若くても発症する若年性脳梗塞
2020/06/28
近年では脳卒中の約7割は脳梗塞だそうです。また、高齢の男性に多い疾患とされていましたが、45歳未満で発症する若年性脳梗塞も増え、年間1万人程度が発症しています。
脳卒中は可能なかぎり早く病院を受診し、治療を開始することで後遺症が軽くなる可能性があります。
脳卒中の判定法「FASTチェック」
脳卒中の典型的な症状は「言語障害」や「半身のマヒ」などです。
脳卒中ではないかと疑った時は、早期発見するために「FASTチェック」をしてみてください。
◆FASTチェック
F(Face):「イー」といったときに、顔の片方の口角が上がらない、または歪んでいないか?
A(Arm):手のひらを上に向けて両腕とも前に伸ばした状態で維持できるか?
S(Speech):言葉に障害がないか?
これらが2つ以上あれば、ほぼ確実に、一つでもあれば5割程度は脳卒中です。
T(Time):時刻を確認してすぐに救急車を呼びましょう!
脳梗塞の治療は、できるだけ早く血栓を取り除くことが大切です。
脳梗塞は発症後4.5時間以内の治療開始が重要
脳梗塞は脳の血管がつまって血の流れが止まり、脳の神経細胞が障害される病気ですので、できるだけ早く血栓を取り除いて脳の血の流れを良くすることが大切です。
血栓溶解療法は、組織プラスミノーゲン活性化因子(t-PA)という薬剤を点滴静注して脳梗塞の血栓を溶かす療法です。
血管が詰まって間もないうちに血液の流れを回復させれば症状も軽く済みます。ただし、血流が再開した際に出血が起こる可能性があるので、専門医のいる医療機関で発症4時間半以内に使用しなければなりません。
進化する脳梗塞急性期治療
血栓溶解療法では、発症から4時間半以内に薬剤を投与する必要がありますが、4時間半を過ぎた場合でも8時間以内であれば血管内治療を受けることができます。
血管内治療は、脚の付け根から脳血管に詰まった血栓を特殊なカテーテルを用いて摘出する治療で、ステント型と吸引型の2種類あります。
閉塞している血栓を、メルシーリトリーバーというコイルに絡めて摘出したり、ペナンブラシステムという吸引器を用いて吸引して治療します。
近年は、後遺症を軽減するために、血栓溶解療法と血管内治療を併用することが多くなってきています。
また、新たな治療機器や治療法の進歩によって、救命率も向上がっています。
ストレス減らしてリラックス
とはいえ脳梗塞を引き起こす危険因子である「ストレス」や「高血圧」「糖尿病」「高脂血症」などを防ぐためには、「塩分の摂りすぎ」「喫煙」「多量の飲酒」などは避け、適度な運動をするなどストレスを減らしてリラックスして生活習慣の改善に努めましょう。
また、運動や汗をかいた時、風呂上がり、起床時などには十分な水分を補給することを心掛けましょう。
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