優れた装着性と利便性のリハビリテーションロボット「Gs Knee」
ロボットを活用するロボットリハビリテーションとは
リハビリテーションロボットは、食事や歩行などの動作を補助する身体機能アシストや、麻痺している部分の運動機能の回復を促すリハビリテーショントレーニングなど、様々な場面で導入されています。
脳卒中や脊髄損傷などの患者さんのリハビリは、理学療法士などが機械などを使用しない従来のリハビリと比べ、ロボットリハビリテーションは多くの訓練をこなすことができ、長時間アシストを続けることができます。
また、急性期から維持期の方に効果的にリハビリを行うことも可能です。
脳卒中や脊髄損傷の患者さんに対するリハビリテーションロボットには、装着型のものと据え付け型のものがあります。
装具型のリハビリテーションロボットは、体に装着して使用するもので立ち上がり・歩行ができ、身体機能の改善を促したり運動を補助したりします。
据え付け型のリハビリテーションロボットは、室内に据え付けて使用するもので、装具型に比べて、床に据え付ける分、安定した練習量を確保することができ、モニターを併用しすることで自分の様子を確認しながら訓練することもできます。
装具型のリハビリテーションロボット
代表的な装具型のリハビリテーションロボットには、CYBERDYNE(サイバーダイン)株式会社が提供する歩行支援ロボット HAL(Hybrid Assistive Limb)があります。
HALには、患者さんの腰と膝、足首に装着して使う「両脚タイプ」「単脚タイプ」と、1つの関節だけを固定して使う「単関節タイプ」があります。
効率のいい動き方や身体の使い方をロボットが教えて、自分の力で足りない部分をアシストしてくれるので、正しい動きでたくさん練習がしやすくなります。
また、リアルタイムでPCで重心の位置がわかり、目で見て確認し修正しやすく、足だけでなく腹筋が鍛えられ、手、足を動かす動きも安定し向上していきます。
据え付け型のリハビリテーションロボット
代表的な据え付け型のリハビリテーションロボットには、トヨタ自動車が開発したウェルウォークWW-2000があります。
ウェルウォークWW-2000は、運動学習理論にもとづく様々な支援機能を備え、初期から自然な歩容で多数歩練習が可能で、
段階的な調整機能により適切な難易度に設定することができ、異常歩行の改善に役立つ設定変更情報をリアルタイムで提示する機能など、多様なフィードバック機能も搭載しています。
また、患者が継続してリハビリできるように、モチベーションを維持できるゲーム機能も搭載しています。
リハビリテーションロボットの課題
高齢化に伴い人生100年時代をむかえ、リハビリの需要は増加しロボットリハビリテーションの需要はより一層増加し期待されています。
ただし、リハビリテーションロボットは課題もあります。
・装着が面倒
・重すぎる
・価格が高く複数台導入するには高額
・複数台導入する場所がない
などの課題もあります。
しかし、これらの課題についても日々、改良改善が行われています。
藤倉化成株式会社の「RoboChemia(GS Knee)」(ロボケミア・ジーエス ニー )は、優れた装着性と利便性があり、重量は780gと軽量ですが最大固定力40Nmを確保して、1回の充電で8時間の使用が可能です。
GS Kneeは長下肢装具の膝継手に装着するデバイスで、ブレーキ装置により膝関節の回転を制御するブレーキ装置の役割を果たし、体重がかかった時にブレーキをかけて体重を支え、体重がかからない時は膝が自由に曲げることが出来ます。
このブレーキ機能により、椅子に座るときにブレーキをかけて、柔らかく椅子に座ることなどが可能になります。
長下肢装具はリハビリテーションで歩行練習などをするときに使われますが、従来の一般的な長下肢装具は、膝関節を完全に固定した状態で使われるので、膝を曲げることができずに不自然な歩行になってしまいます。
GS Kneeを使うことで、長下肢装具の膝が固定された状態と膝が自由に屈伸できる状態を、理学療法士が手元のハンドスイッチで切り替えることができるため、ぶん回し歩行などの代償動作が少ない歩行練習をすることができます。
現在は、病院やリハビリ施設においてモニター利用が行われ、6月ころには正式リリースされる予定だそうです。
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