リハビリ患者を支える理学療法士国家試験の合格率が想像以上に高い
脳卒中患者への歩行訓練など回復期リハビリを主導する理学療法士は、国家試験に合格してこそスタートできる職業です。
専門学校や大学で専門的な知識を学んだ後に、国家試験を受験することになります。
理学療法士の国家試験は、正直、一般的には話題になりにくいですよね。
医療関係だと医師国家試験、薬剤師国家試験、看護師国家試験は耳にしますが、もうちょっとコ・メディカルに焦点が当たっても良い感じはします。
理学療法士をPTと表記を略すことがありますが、これは、
『Physical Therapist (フィジカル セラピスト)』
これの略称です。
セラピストとしての役割も担う事がわかりますね。
試験概要については詳細を割愛しますが、合格率が比較的高いことが特徴です。
決して試験が簡単ということではないでしょうけど、資格取得だけを目的にしていない職業としての志の高さも影響してるかもしれないですね。
理学療法士の国家試験概要
毎年2月に国家試験は行われ、3月に合格者が発表されます。
筆記試験と口述試験及び実技試験があります。
試験地が限られていることから、遠方からの受験は大変そうな印象ですから、一発合格を目指したいところです。
ちなみに試験地は、北海道、宮城県、東京都、愛知県、大阪府、香川県、福岡県及び沖縄県で筆記試験が実施され、口述試験及び実技試験は東京都のみです。
受験者数は平成23年度から毎年10,000人以上になり、ここ数年は12,000人ほどで推移しています。
理学療法士の国家試験合格率
今年度を含めて過去5年間の統計を見てみると、合格率は、
- 平成27年度 82.7%
- 平成28年度 74.1%
- 平成29年度 90.0%
- 平成30年度 81.0%
- 平成31年度 85.8%
となっています。
平成20年頃までは90%台が続いていました。
歴代の54回の国家試験の中で、特に平成15年度の合格率は98.5%という驚異的な数字です。
この年に不合格だった受験者の心中たるや・・・。
わずか57人ですよ不合格者は。
体調不良や諸事情で途中退出とかがあったと考えておきましょう・・。
理学療法士の年収や待遇
国家試験とは直接関係ないですが、やはり職業としての魅力は「やりがい」だけでは務まらない面もあります。
適切な報酬が得られるのかどうかも生きていく上では大事なこと。
きれい事だけでは済まされない現実があります。
患者さんに向き合う仕事だからこそ長く働ける方がいいですよね。
厚生労働省の賃金構造基本統計調査の職種別賃金額に掲載されているデータから算出すると、年収は少なくとも約400万円以上という数字が見えてきました。
理学療法士は個人事業主やフリーランスとしての活動よりも病院に勤務して働くサラリーマンスタイルになるので、年収も特別高いということではなさそうですね。
待遇に関してもリハビリグループのリーダーとして手当てが付くなど、病院によっては賃金に反映する評価システムもあるでしょうが、病院経営に関わる役員への登用も難しいポジションとなっているようです。
現場一筋の仕事と考えて良さそうですね。
PT(フィジカルセラピスト)という名称からの職業観
理学療法士はPTという表記もします。
Physical Therapist の頭文字を使っているわけですが、フィジカルとは身体的とか物理的、セラピストは療法士と訳されます。
単に脳卒中の後遺症で片麻痺になった患者の歩行訓練をするだけではなく、今までとは違う状況に置かれた患者へ心理面の影響も考えながら接していく必要があります。
歩行訓練士ではなく理学療法士という名称から、リハビリを通して、これからの人生を前向きにする使命を帯びていることが伺えますね。
理学療法士の国家試験合格率のまとめ
想像以上に高い合格率を誇る理学療法士の国家試験。
冷やかしで勉強する候補生は居ないでしょうけど、まじめで真摯に理学療法士を目指す受験生が多いという証左でしょうね。
脳卒中の影響で歩行が思うようにならない患者にとっては、頼りになる存在で居て欲しいですね。
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