脳血管疾患の生活期(維持期)に自宅でできるリハビリ
退院後の生活期に必要なリハビリ
回復期のリハビリが終わり退院後も「社会復帰」「仕事復帰」をするために、生活環境や活動範囲に合わせたリハビリを、自宅やリハビリ施設などで行う必要があります。
手足が動かしにくい状態の痙縮(けいしゅく)になり、腕や手指が曲がったり、足のつっぱりなどが生じたり、麻痺がなかなか回復しない場合があります。
退院後の生活期(維持期)以降に、少しでも麻痺を回復させるために、痙縮を弱めて手足の柔軟性を保つためのストレッチやマッサージが重要になります。
しかし、痙縮は歩きすぎたり頑張りすぎるとかえって強まる傾向があるので、運動しすぎたり、頑張りすぎないように注意する必要があります。
ケアマネージャーや介護事業所などによく相談してリハビリを行いましょう。
生活期(維持期)に自宅でできるリハビリ
麻痺などのリハビリは重症度によって異なりますが、痙縮をやわらげて筋肉のつっぱりを改善するリハビリを続けることが重要になります。
麻痺の回復を促す自宅でできるリハビリを紹介します。
手指とのストレッチ
① テーブルのへりにタオルを乗せ手のひらを上に向け、もう一方の手で指を伸ばし、ゆっくりと手首を反らす
② 指を引っ張りすぎないように注意し、指を伸ばしたまま10数える
手首をうまく回せない場合は、無理に伸ばそうとせずなるべく手のひらを上に向け10数える
⑤ 5回繰り返す
指と手首のストレッチ
① 体の横にタオルを置いて麻痺側の手のひらを下に向け、指先を前方または横に向け置く
② 麻痺のない方の手で、指を1本ずつゆっくり伸ばす
うまく伸ばせない場合は無理に伸ばさず、タオルを丸めて握るように持ち、なるべく指を伸ばす
③ 麻痺した方の肘を伸ばし、麻痺のない手で肘を軽く押さえながらゆっくり手のひらに体重をかける
④ 体重をかけたまま10数える
⑤ 5回繰り返す
肘と肩のストレッチ
① 椅子に座り両手を組んで肘を真っ直ぐ伸ばす
うまく組めない場合は麻痺のある手のひらに親指を入れ残りの4本の指で包み込む
② 肘をのおばしたまま腕をゆっくり床まで下ろし10数える
③ そのまま腕を天井に向けてゆっくりと持ち上げ10数える
左右対称になるように背筋をまっすぐ伸ばして行う
④ 5回繰り返す
肘のストレッチ
① 背筋を真っすぐ伸ばして座り、両手を組んで肘を前に伸ばす
② 肘の位置を動かさないように肘を曲げて両手を胸の前に止めて10数える
③ ゆっくり肘を伸ばし10数える
④ 5回繰り返す
座ったふくらはぎのストレッチ
① 背筋を真っすぐ伸ばして座り膝を曲げたまま足の裏全体にゆっくりと体重をかける
かかとが浮かないように注意
② 体重をかけたまま10数える
③ 5回繰り返す
立ったふくらはぎのストレッチ
① 流し台や高めのテーブルにつかまって立ち、麻痺がある足を後ろに引く
② 引いた足のかかとに体重を乗せ、ゆっくりとふくらはぎの筋肉を伸ばす
膝が曲がらないように注意、背筋もまっすぐ
③ ふくらはぎを伸ばしたまま10数える
④ 5回繰り返す
脳血管疾患は介護保険制度の特定疾病
脳血管疾患は、介護保険制度の特定疾病に指定されています。
介護保険制度は、65歳以上の高齢者または40~64歳の特定疾病患者のうち、介護が必要になった人を社会全体で支える仕組みです。
40~64歳未満でも「脳血管疾患」を発症した場合は「2号保険者」として、介護保険が適用され、要介護認定の対象となります。
次のようなサービスを受けることができます。
・介護サービスの利用にかかる相談、ケアプランの作成
・自宅で受けられる家事援助等のサービス
・施設などに出かけて日帰りで行うサービス
・施設などで生活(宿泊)しながら、長期間又は短期間受けられるサービス
・訪問・通い・宿泊を組み合わせて受けられるサービス
・福祉用具の利用にかかるサービス
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