脳卒中後の自宅リハビリで回復傾向良好の研究報告!だけど家族の負担は?
2021/02/10
脳卒中で家族が倒れた!!
あきらかに一家の緊急事態です。
本人もキツイでしょうが、一報を聞いた家族の反応は、
- 容態は?
- 後遺症は?
- 暮らしは?
- 入院期間は?
- 医療費は?
- 本人の回復は?
- 社会復帰は?
- リハビリは?
この、いずれかは頭に浮かぶでしょう。
意識を取り戻したとしても、回復までにステップが踏み、特にリハビリや介護の問題は家族会議での検討が必須です。
ケアマネージャーなどの専門家の意見も心強いですが、自宅でのリハビリは難しいのでしょうか。
脳卒中のリハビリ
脳卒中のリハビリは「急性期」と「回復期」に大別されます。
急性期は入院治療後、病状が安定してから医師の指示でセラピストが担当します。
セラピストは「理学療法士」「作業療法士」「言語聴覚士」のことです。
リハビリはセラピストだけでなく、医師、看護師、薬剤師、栄養士、ソーシャルワーカーなどが一丸となって行われます。
各セラピストの役割分担は、おおむね以下のようになります。
- 理学療法士
起きる、座る、立ち上がる、歩くなどの生活の基本動作能力アップ - 作業療法士
食事、トイレ、着替え、歯磨き、筆記といった作業の動作能力アップ - 言語聴覚士
言語機能に問題がある患者さんに、話す、聞く、読むことの能力アップ
急性期の初期段階ではベッドでリハビリ
いきなりリハビリ室で運動することはありません。
寝ている期間が長くなると、マヒした手足の関節が硬くなり、マヒのない手足では筋力が落ちたりするため、少しでもリハビリが必要です。
そのほかリハビリによって、床ずれ、心肺機能低下、足の静脈血栓症、ふらつき、骨がもろくなるなどの症状(廃用症候群)を予防します。
リハビリ室でのリハビリ
ベッドの上でのリハビリを経て車椅子に乗れるようになると「離床(りしょう)」となって、次の段階、つまりリハビリ室でのリハビリにすすみます。
リハビリ室では、歩行や作業訓練、言語機能障害に対するリハビリが行われます。
標準的なリハビリ以外にも、最近ではロボットを使ったリハビリも積極的に取り入れられています。
順調にリハビリがすすめば晴れて退院となり、日常生活を送りながら実践の場でリハビリを続けることとなります。
維持期リハビリは自宅で可能なのか
中国の大学では自宅リハビリの回復傾向が良好という研究結果があります。
急性期と回復期を経て、維持期(慢性期、生活期とも言われる)の自宅リハビリの効果を上げる手段となれば喜ばしいことです。
その研究では、自宅からライブ配信で理学療法士などの指導を受ける方法と対面での方法で、12週間後の運動機能を比較してみると、自宅からのライブ配信指導リハビリの方が結果が良かったというのです。
だとしても、自宅でのリハビリは本当に可能なのでしょうか。
ライブ配信ということで、少なくともITリテラシーの高い人がいなければ、そもそも無理な話のような気もします。
老老介護が増えてきている日本では、そのような世帯には向かないかもしれません。
やはり、一定の条件が整うことが先決ではないでしょうか。
ただし患者本人にとっては、自宅でのリハビリの方が気分的にも良いかもしれません。
まとめ
脳卒中後の自宅リハビリで回復傾向良好の研究報告があったことは、リハビリの多様性を想像させますが、自宅でリハビリを選択するには、一定の要件が必要な気がします。
これから日本で導入が検討されるのか、動向が気になります。
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