歩行訓練のリハビリ方法 新たな器具の発明により変わり始めている!
2020/08/12
脳梗塞による後遺症のため、半身麻痺となった方の歩行訓練において、リハビリ方法が目的の変化に伴う、新たな器具の発明により変わり始めてきています。患者が抱く新たな目的と、それを満たす新時代のリハビリ方法に、注目が集まり始めています。
脳梗塞は高齢者だけに起こるのではない
これまで脳梗塞はどちらかというと高齢者の方に発症するものといったイメージがありました。しかし近年では、まだまだ若い30代・40代にも脳梗塞が起こることが、そう特別なことではなくなってきています。
長時間勤務などの過剰労働、長引く不況などによって、私たち現代人は多くのストレスを抱えて生活をしています。IT化が進むにつれ、仕事の処理速度はさらにスピードを求められ、以前の数倍の仕事量をこなすことも当たり前となりました。
そんな緊張状態の続く中での仕事環境は、私たちに多くのストレスを抱え込む状況を生み出しています。そうして脳や心に負荷がかかることで、体のバランスを崩してしまい、現役世代の脳梗塞に少なからずつながっているのでしょう。
現役世代がリハビリ後に望む目的とは?
現役世代が脳梗塞を起こし、半身麻痺となってしまった場合、これまで以上に重大な問題を抱えることになります。というのも、現代は人生100年時代といわれ、定年が伸び、現役で働く期間が長くなったからです。
半身が麻痺し、これまでのように体を動かせなくなってしまっても、若い人にとってはリタイヤするまでまだまだ働かなくてはなりません。
そうした場合、リハビリにより歩けるようになったとしても、これまでのしごとに復帰できない場合もあります。そして、その歩く姿によって再就職さえ決まりづらいという問題が出てきているのです。
そのことから、歩く姿、つまりは「歩容」を求めたリハビリが、いま現役世代の新たなリハビリの目的となってきています。
それにより変わる新時代のリハビリ方法
これまでのリハビリ方法では、自分で歩けるようになっても、麻痺した方の足の膝を曲げずに伸ばし、コンパスのように弧を描いて歩くような形となっていました。
しかし、この方法ではスロープも登りづらく、まして階段などは登れません。歩く姿も独特な「ぶん回し歩行」のスタイルとなってしまいます。
これを避け、歩容を考えた歩行訓練をするには、膝を曲げて歩けるようになる歩行訓練が必要となります。そのためには、これまでの長下肢装具だけでは難しいのです。
リハビリ方法が変わると器具も変わる
歩容を目的とした歩行訓練をするためには、これまでの器具でのリハビリ方法では目的を果たせません。
そこで、膝を曲げて歩けるようになるために、新たなリハビリ器具が開発されました。この器具は、これまでの長下肢装具に装着して使用することができるので、リハビリをするすべての方が利用可能できる画期的な器具です。
そしていま、その器具の存在が徐々に注目を集めはじめています。
大掛かりな器械を使うのではないため、リハビリを行う患者も、それを手助けするPT(理学療法士)も、手軽に利用できるのが大きな特徴です。導入するリハビリ施設や病院も、そのための特別な部屋などの大掛かりな設備投資を必要としません。
今後、この膝を曲げて歩くためのリハビリ器具は、全国のリハビリ施設に導入されていくことでしょう。そして、いずれは日本を飛び出し、世界中で利用されるようになると予想されます。
世界中の歩行訓練のリハビリを行うすべての人が、再び膝を曲げて歩けるようになる。そうなることで、関わるすべての人がきっと笑顔になれるでしょう。
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