リハビリ歩行デバイス「GS Knee」は脳卒中患者の希望
厚生労働省の平成29年患者調査によれば、脳血管疾患で入院した患者は14万6000人でした。
外来患者も約8万6000人です。
出典:平成29年(2017)患者調査の概況|厚生労働省
https://www.mhlw.go.jp/toukei/saikin/hw/kanja/17/index.html
ほとんどの脳卒中患者は後遺症として運動麻痺あるいは感覚麻痺を発症し、苦しいリハビリを体験しています。
リハビリの種類はたくさんありますが、自立歩行を目指す歩行リハビリは重要なポイントです。
歩行リハビリの種類
歩行リハビリを開始する前は、理学療法士によるストレッチで凝り固まった足首、膝関節、股関節を中心に可動域を維持拡大し、十分に筋肉が動くようにします。
本格的に歩行訓練に入る場合は、患者の運動能力を見極めながら、
- 平行棒
- 十字杖
- 4点杖
- ロフストランド杖
- キャスター式歩行器
などの器具を使い分けます。
もともと健康な高齢者でも、
- 歩みが遅くなる
- 足が上がりにくくつまづくリスクが増える
- 前かがみ傾向で転倒しやすい
- 疲労がたまりやすい
- 長い時間歩けない
- 筋力の衰え
などが顕著になってくるため、歩行リハビリとなると長い時間を要することがわかると思います。
歩行様式とは
杖と足の動きの順番をルール化したものを歩行様式と言い、
- 三動作歩行・・杖→マヒ側の足→健常な足
- 二動作歩行・・杖とマヒ側の足を同時に出す
- 四動作歩行・・杖を2本使い、右側の杖→左足→左側の杖→右足(またはその逆)
- 大振り歩行・・左右2本の杖を同時に前へ出し、両足を振り子のようにして出す
この4つが基本動作です。
両足にマヒが残っている場合は大振り歩行、それ以外は片足にマヒが残っている場合に最適な歩行様式になります。
歩行訓練中は必要に応じて装具を装着して行われます。
特に脳卒中患者の場合、マヒした側の膝に力が入らずカクンと折れ曲がる「膝折れ」による転倒のリスクが生じます。
これを防ぐために、膝の動きを制限した長下肢装具を装着しているため「ぶん回し歩行」と言われる、不自然な足運びでの歩行訓練にならざるを得ません。
ぶん回し歩行で訓練を始めると、不自然な歩行のまま退院することになります。
自然な歩行を目指すなら「GS Knee」
少しでも病前の歩行に近づけるために開発されたのが「GS Knee」です。
膝折れにブレーキをかけ、足の運びをスムーズにするデバイスです。
長下肢装具に取り付けて、理学療法士の指導の下で使われます。
すでにスムーズな歩行ができるようになった患者さんもいて成果は上々です。
「GS Knee」は脳卒中患者の希望となるでしょう。
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