リハビリ情報まとめ

【※広告を含みます】 リハビリの情報だけでなく、入院中や退院後の情報などもまとめています

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拘縮とは? その原因やメカニズム、予防法やリハビリとは

   

 

拘縮の5つの原因とは

拘縮(こうしゅく)とは、関節が動かしにくくなった状態のことで、麻痺により筋肉が萎縮したり、身体を動かさないことで筋肉の柔軟性が失われてしまったりして起こります。

拘縮の原因には5つのタイプがあり、以下に分類されます(Hoffaの分類)。

◆皮膚性拘縮

皮膚の熱傷や創傷、炎症などにより、傷あとが引つれて思うように関節などが動かせなくなる瘢痕(はんこん)拘縮のことで、皮膚が弾力性を失った状態のことです。

 

◆結合組織性拘縮

皮下軟部組織や靭帯、腱などの結合組織の病変が原因となって起こる拘縮のことです。

 

◆関節性拘縮

滑膜や関節包、靭帯などが炎症や損傷により、癒着、萎縮しすることで関節が動かしにくくなった状態のことです。

 

◆筋性拘縮

筋肉の収縮性、伸展性の減少や、関節が長時間一定の位置に固定され、可動域が制限された状態のことです。

 

◆神経性拘縮

脳卒中などの末梢神経や中枢神経の疾患や損傷によって、筋肉が麻痺したり異常に緊張したりすることで起こる拘縮のことです。

 

いずれの場合も、筋肉を動かさない状態か長い続くと症状が悪化してしまうので、適度な運動やストレッチを行い関節を動かすことが大切です。

 

拘縮発生のメカニズム

手足を動かす運動は、脳から指令が発せられ筋肉に伝わることで動きます。

しかし、指令を伝える経路が遮断されると、脳からの指令が筋肉に伝わらなくなり、麻痺が生じます。

指令を伝える経路には錐体路と錐体外路があり、錐体路は随意的に筋肉の緊張・収縮を行い、錐体外路は不随意的に筋肉の緊張・収縮を行います。

アクセルとブレーキに例えると、アクセルは筋肉の収縮でブレーキは筋肉緊張と例えられ、アクセルとブレーキのバランスによって、膝を曲げたり伸ばしたりすることができます

錐体外路はアクセルの役割が強く、錐体路が遮断されると錐体外路が活発に活動してしまいブレーキがかけられず、筋肉が過剰に収縮して拘縮状態になってしまいます。

 

筋肉へのコラーゲン蓄積に注意が必要

寝たきりの状態などになってしまうと、体を動かさない時間が長くなり関節が徐々に動かしづらくなってしまいます。

筋肉を長時間動かさないと、筋肉の細胞内にコラーゲンが増えてしまいます。

コラーゲンが蓄積され量が増えると、筋肉が硬くなる特徴があるため柔軟性が失われ動かしづらくなってしまいます。

動かしづらくなってもそのままにしていると、更にコラーゲンがたまり拘縮を悪化させてしまうので、無理のない範囲で動かすようにしましょう。

 

拘縮の予防とリハビリ

関節を固定した状態で2週間動かさない状態が続くと関節拘縮が始まり、4週間経つと周りの組織が癒着してしまうそうです。

一旦、関節が拘縮すると改善することが非常に難しくなります。

拘縮を予防するには、なるべく早くから関節を動かすことが重要です。

寝たきりになってしまった場合に関節の動きを維持するためには、1日20分以上の持続的なストレッチが必要と報告されているそうです。

すべての関節を毎日20分以上ストレッチし続けないと拘縮になってしまい、改善することは期待できなくなってしまいます。

日常の生活動作には、移動や着替え、入浴、食事など、全身の関節運動が含まれ、筋力の低下も防ぐことがでるので、日常の生活運動にはなるべく関節を動かすようにしましょう。

また、拘縮の治療には、温熱療法や超音波療法などの物理療法がありますが、改善するには非常に時間がかかるので、医師や理学療法士などに相談しながら粘り強くリハビリをする必要があります。




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