リハビリ情報まとめ

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言語聴覚士の仕事の内容ってどんな事するの?

      2019/12/21

言語聴覚士は理学療法士、作業療法士と同じく国家資格で、「言語聴覚士法」第2条に「音声機能、言語機能又は聴覚に障害のある者についてその機能の維持向上を図るため、言語訓練その他の訓練、これに必要な検査及び助言、指導その他の援助を行うことを業とする者」と定義されていますが、実際どんなサポートをしてくれるのでしょうか。

理学療法士や作業療法士との違い

理学療法士は、起き上がる、座る、立つ、歩くなど生活の基本となる動作能力を回復したり、維持向上させたりする運動療法や物理療法を行い自立した日常生活が送れるよう支援してくれます(「理学療法士の仕事ってどんな事するの?」)。

作業療法士は、生活上のさまざまな行為である作業活動を使用してリハビリを行います(「作業療法士の仕事ってどんな事するの?」)。

言語聴覚士は、話すことや食べること、聞くことなどで、障害や悩みを抱えている人に対して必要な指導やアドバイス、訓練を行います。

言語聴覚療法が必要なのはどんな人

脳卒中などの病気や加齢、生まれつきの障害などによる言語障害(失語症、構音障害)や聴覚障害、ことばの発達障害、嚥下障害など、コミュニケーションや食事などに問題を抱えている人が対象となります。

◉言語障害
・舌や口などの麻痺などで発音がはっきりしない方
・病気やケガなどで、話す・聞く・読む・書くことが難しい方
・話が理解できない方
・咽頭がんなどで声帯を失い声が出にくい方

◉聴覚障害
・病気やケガなどで耳が聞こえない方やよく聞こえない方
・先天的に耳が聴こえない方やよく聞こえない方

◉摂食・嚥下障害
・上手く噛めない方や飲み込みにくい方
・食事中よくむせる方や時間がかかるなど方

言語聴覚士が行う治療法

言語聴覚療法で行う作業は、患者さんの気持ちに寄り添いながら日常生活で行う「話す・聞く・食べる」ために必要なリハビリを行います。
患者さんは子どもから大人まで幅広く、一人ひとりが抱える様々な問題の原因と対処法を見つけ出し、その人に合った治療を行います。

1.ことばのリハビリ

1)構音障害の方(舌や口などの麻痺による発音がはっきりしない)
・大きな声がでるように、声のかすれやガラガラした声が少なくなるように、発生練習を行います。
・口や舌、アゴなど発音に必要な口腔機能の練習を行います。
・発音しにくい音に的を絞って発音練習を行います。
・「ゆっくり話す」など、話し方を工夫することで聞き手に聞き取りやすい話し方を行う方法などを提案・指導します。
・話しをする時はテレビの音量を小さくする、聞き取れない時は聞き返しを行うなど、聞き手の工夫で会話がスムースに成立するよう提案・指導します。
・発音が聞き取りにくい場合は紙に書いてもらう、声が出ない方にはキーボードやボタンを押して意思を伝えるなど、発音以外の手段(文字や絵、ハイテク機器など)を使ってコミュニケーションを行う練習を行います。

2)失語症の方(脳の言語野の損傷のため、話す・聞く・読む・書くことが難しい)
・物の名前を言う練習や字の読み書きなどの基盤となる練習を行います。
・実際のコミュニケーションに必要なあらゆる練習を行います。
・言葉が出にくいときに少し待つ、短く具体的な言葉で話す、はい/いいえで答えられる質問をするなど、家族や話し相手の方へに、話し方の工夫を行い会話が成立しやすいように提案・指導を行います。
・絵に描いて伝える、字を書いて伝える、絵や字を指差して伝える、ジャスチャーや表情で、機器を使用するなど、話し言葉以外の手段(文字や絵、ハイテク機器など)を使って、コミュニケーションを行う練習をします。

2.摂食・嚥下障害のリハビリ(食事中よくむせる、飲み込みにくい、時間がかかるなど、食事の食べにくさがある)

・食べ物を使った飲み込みの練習や食べ物を使わない飲み込みの練習、噛む力をつけるなどの嚥下練習を行います。
・むせたときに、強く吐き出せるように咳の練習を行います。
・スポンジブラシなどを使った口の掃除など、ご本人にあった口腔ケアの実施・助言、実施するためのご家族への指導などを行います。
・ベッド上で安全な食事の姿勢、水などにトロミをつける、一口大にするなどの食事形態、煮る・蒸すなど嚥下食の作り方、食事介助方法の指導、スプーンは持ちやすいかなど食具の検討など、安全な食事環境を検討や指導を行います。

3.高次脳機能障害の方のリハビリ(記憶障害、注意障害、遂行機能障害、社会的行動障害など)

1)生活・活動場面で必要な練習を行います。
・忘れないうちにノートに書き、見直す練習、
・規則正しい生活を送るための生活スケジュールの立案・実行
・公共交通機関の利用、買い物練習(献立の立案・おおよその金額予測・スーパーへ行くなど)

2)必要に応じてデイサービスの事業所などの関連機関へ、介助方法などの情報の提供を行い、統一した介助方法で生活できるように連携してリハビリを行います。

言語聴覚士の活動する場所

◉総合病院・耳鼻咽喉科・歯科・口腔外科・リハビリ病棟・地域医院・診療所などの医療機関や、
◉介護老人保健施設・デイケアセンター・訪問看護事業所・訪問リハビリなどの介護施設、
◉特別養護老人ホーム・デイサービスセンター・肢体不自由児施設・重症心身障害児施設などの福祉施設、
◉自治体・保健センター・地域包括支援センターなどの保健施設、
◉小中学校・特別支援学校・研究施設・言語聴覚士教育施設(大学、短大、専門学校)などの教育機関

などで活躍しています。




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