脳血管性認知症の症状|初期症状の特徴や原因・治療法
脳血管性認知症の症状と原因
脳血管性認知症は、脳梗塞や脳出血、クモ膜下出血などの脳血管障害が原因で脳に酸素や栄養が十分に行き渡らず、脳細胞が壊れてしまい認知症を発症します。
アルツハイマー型認知症に次いで多い認知症で、女性よりも男性の方が多く発症し、アルツハイマー型認知症と併発する場合もあります。
症状は障害を起こした脳の部位によって異なり、物忘れなどの記憶障害や、時間や場所、季節、人がわからなくなる見当識障害、計画を立てて物事を行うことがむずかしくなる実行機能障害など様々な症状が表れます。
また、認知症の症状だけでなく、手足の麻痺や歩行障害、言語障害なども併発することもあります。
脳血管性認知症の初期症状
脳梗塞や脳出血、クモ膜下出血などの治療が一段落すると、物忘れなどの症状が出たりしますが、障害を受けた部位以外は正常なので症状には波があり、発見が遅れる傾向にあります。
◆失行
普段行う簡単な日常動作ができなくなる
◆失認
耳や目、鼻、舌などの感覚器に異常がないのに、周りの状況を認識できない状態
◆失語
話す・聴く・読む・書くといった言語機能に障害が起きて、思っていることをうまく伝えられなかったり、他人とコミュニケーションが取れなくなったりする
その他にも、高血圧や頭痛、めまいや四肢のしびれ感などが出ることもあります。
脳血管性認知症の治療
残念ながら一度失われた神経細胞は治療して完全に元に戻すことは困難です。
そのため脳梗塞や脳出血などの脳血管障害の再発を予防しながら、運動機能や言語機能の維持回復を目的にリハビリが行われます。
脳梗塞が原因の場合は、再発を予防するために血液の流れを良くする薬が処方され、抑うつ状態や無気力の場合などには、対処療法として抗うつ剤なども併用されます。
また、心身の機能を改善・維持するためにも理学療法士による運動機能のリハビリや、言語聴覚士による言語機能のリハビリも行われます。
嚥下機能が低下している場合は嚥下リハビリも行われます。
セルフネグレクトに注意しましょう!
リハビリは訪問リハビリや通所リハビリ(デイケア)を利用することになりますが、なかなかうまく行かない苦しみや失望感から「セルフネグレクト」状態になってしまう場合があります。
◆セルフネグレクト
・日常生活のサポートを拒否したり放棄する
・多量に飲酒してしまう
・薬を飲まなくなる
など自暴自棄になり、さらに悪化する行動を行ってしまうことがあり、本人にも家族に辛い状況になってしまいます。
過度な介護やリハビリに注意して、できないことを責めずに苦しみを理解・共感しながらも距離をとり、過度な期待はせずに気長にリハビリに取り組みましょう。
老人保健施設のショートステイなども活用し、頑張りすぎにサポートを受け家族の負担を軽減しながら行いましょう。
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