リハビリ情報まとめ

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脳卒中後のイライラの原因はストレスではないかも!

      2019/12/03

脳卒中後に、今までとは人が変わったように、イライラしたり、急に怒り出したり、家族や周囲の人に対して感情的になったりするということがよくあります。
「病気になる前は穏やかな優しい人だったのにどうしちゃったのだろう」とご家族は困惑したり悲しんだりしますが、思うように動けなかったり、言いたいことをうまく言えないからだろうと思ってそれですませがちです。
確かに思うようにならないもどかしさもあるとは思います。でも、高次脳機能障害の可能性も否定できません。

高次脳機能障害とは、脳卒中や事故にあったことなどで脳が損傷し、脳の機能に障害が起きている状態のことをいいます。
具体的には次のような障害があります。

①失語症
「聞く」「話す」「読む」「書く」ということに障害がある状態のこと。
耳は聞こえてるのに聞いた言葉を理解できない、話そうと思っても言葉が出てこない、見えているのに文字が読めない、文字を書くことができない等の症状が現れます。

②記憶障害
同じことを何度も聞く、物の置き場所を忘れる、新しい出来事を覚えられないなどという症状が現れます。老化と思われてしまう場合もあるようです。

③注意障害
複数のことを同時にやろうとすると混乱する、ぼんやりとしていてミスが多い、集中力が続かない、逆に一つのことだけに気が行ってしまって他のことに気づかないなど注意力が散漫になっているようにみえる状態を起こします。

④遂行機能障害
自分で計画的に行動することができない、誰かに指示をしてもらわないとできない、料理など今までやっていたことの手順がわからなくなるなど、言葉はわかり、記憶もあって行動もできるのにそれらを有効に活用できない状態をいいます。

⑤社会的行動障害
感情を自分ではコントロールできずに急に激しく怒り出したり、些細なことですぐカッとなる、思い通りにならないと大声を出す、自己中心的な態度をとる等の症状が現れます。社会の中でうまく生きていくことができない状態です。

⑥半側空間無視
体の片側の空間を無視してしまう状態です。麻痺の出ている側に必ず起こるのではなく、主に左側に現れることが多いそうです。

東京医師会の統計によると、失語症が発生する割合が高く、その次に注意障害や記憶障害が現れることが多くなります。
そのため、多くあらわれる障害に対しては認識が高まりますが、少ないものに対しては注意が向きにくかったり、他の原因をあてはめたりしがちになりやすいので、見逃されてしまうこともあるのでしょう。

高次脳機能障害は脳の障害なので自然に解消していくことはありません。ちょっとおかしいなと思ったら専門の病院で診察を受けることが大切です。リハビリをして根気よく治療していくことで日常生活をクオリティの高いものにしていくことが出来るのです。




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