リハビリ情報まとめ

【※広告を含みます】 リハビリの情報だけでなく、入院中や退院後の情報などもまとめています

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介護保険サービスはリハビリだけではなく再発予防にも活用できます

      2020/07/24

脳出血やくも膜下出血の治療では、脳の状態を安定させることはできますが、
損傷した脳の部分を元通りにすることは現代の医学ではまだできません。
将来、研究が進んで脳の損傷を改善できるようになったら素晴らしいことですが、
今はまだそういうわけにはいかないので、後遺症が残ることがあります。

それほど重症でなければ、早期からリハビリを行うことで脳や身体の機能を回復させて
社会復帰ができるようになる可能性がありますし、症状が重いと思われる方でも
リハビリをすることで寝たきりにならないようにできる可能性もあります。

脳出血、くも膜下出血、脳梗塞は日本における「寝たきり」の最大原因になっています。
脳卒中になったご本人にとってもご家族にとっても寝たきりにならない事は大事です。
リハビリをしっかりと続けられる環境を作っていきましょう。

 

リハビリの進め方

リハビリは急性期、回復期、維持期の3つの段階に分けて進められます。

①急性期(発症から2~4週間程度)

病院に入院して緊急治療が終わり、集中治療室から一般病室へ移り、状態が安定したら
出来るだけ早くリハビリを始めることが大切です。
まず、ベッドに寝ている状態では理学療法士さんに指導を受けながら手や足など、身体の末端の部分から動かしていきます。
そして、徐々に起き上がってベッドの端に座ったり、立ち上がったりするなど、少しづつ動作を大きくしていきましょう。
また、物をつかんだり離したりすることや紐を結んだり解いたりする作業療法は手のリハビリになります。
口を動かす運動や、呼吸法の練習は誤嚥を防ぐための嚥下障害を改善するリハビリになります。

②回復期(発症から3ヶ月~6ヶ月の症状が安定してくる時期)

緊急状態から脱して急激な変化(悪化)の恐れが減少した時期です。
この時期にしっかりとリハビリをすることにより、低下した能力を再び獲得することが出来ます。
症状によって、バランスを崩さずに立ち上がる練習、平行棒を使っての歩行訓練、杖を使った歩行訓練などをします。
また、階段の昇り降りや食事や着替え、排泄、入浴など日常生活における動作の訓練をして、自宅に戻った時に日常生活をある程度こなせるようにリハビリをします。

③維持期(以降ずっと)

リハビリ病院を退院して自宅に戻る場合でも、施設に入る場合でも、これまでのリハビリで得られた効果を持続させていくため、リハビリを続けていくことが大切です。
・時間がかかっても出来ることは本人が行う。
・出来る範囲で家庭内の役割を担当する。
・一人でできないことは落ち込まず、遠慮せずにサポートしてもらう。
等を意識して、患者さん本人もご家族の方も、諦めずに今期よく続けていきましょう。

 

再発予防には生活習慣の改善が必須です

脳出血、脳梗塞などいわゆる脳卒中と呼ばれる病気は、再発すると脳にダメージが更に加わることになるので、後遺症が悪化したり、新たな後遺症に悩まされる可能性が高くなります。
再発を防ぐためには生活習慣を変える事が必要です。
高血圧は脳出血とくも膜下出血になる危険性が高い疾患です。減塩をするとともに、降圧剤を飲んで血圧を管理する必要があります。
また、血糖値やコレステロール値、中性脂肪値などが高いと血流が悪くなったり、血管がもろくなったりして破裂する危険があります。
体重を管理したり、脂肪の取りすぎに注意したりして再発予防に努めましょう。
くも膜下出血は喫煙が大きな危険因子となっています。再発予防のためには禁煙は欠かせません。
また、年1回健康診断を受けて、健康状態をチェックすることも大切です。

 

介護保険サービス

介護保険のサービスは基本的には「65歳以上の介護を必要とする人」となっていますが、脳卒中で介護が必要になった場合は、早ければ40歳から利用することが出来ます。
介護保険のサービスには、自宅で暮らす方の生活支援やリハビリ、入浴などを行う訪問サービス、日中に施設に通ってさまざまなサービスを受ける通所サービス、一定期間施設内で過ごしながらサービスを受ける短期入所サービスなどがあります。
介護保険サービスを受けるには、まず住んでいる市区町村の窓口や地域包括支援センターに要介護認定の申請を行います。
審査で介護が必要と認定されると、担当のケアマネージャーとともに支援プランを作っていくことになります。
認定までに一か月以上かかることもあるので、入院中の早めの段階から手続きの準備をしておくと後になって慌てずに済みます。
ケアマネージャーは手摺を付けた方が良いのかとかお風呂場の改修はどうすればいいのかなど、さまざまな相談に乗ってくれますし、自分では気づかなかったアイデアを教えてくれることもあります。
介護保険のサービスの利用者負担は原則として1割から3割です。
脳卒中のリハビリにゴールはありません。
生活の質を上げていくために介護保険のサービスを活用していきましょう。




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